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水質汚染の原因物質

水質汚染の原因物質

 

【水質汚染の原因】

 

水質汚染の6割は、生活排水が原因とされています。中でも、割合が大きいのは台所排水です。お米のとぎ汁などは、河川、湖、海などに流れ込むと、富栄養化を引き起こし、プランクトンや水草などが大量発生する原因となります。そうすると、海中の酸素が不足し、そこで生きる生物が死んでしまいます。死骸は腐り細菌などが発生します。また、油や自然浄化では分解されにくい化学物質が多く含まれる合成洗剤も、汚染の原因といえるでしょう。つまり、人口の増加と生活水準の向上により、炊事、洗濯など、毎日の生活の中で出す一人あたりの排水量が増え、わたしたち一人ひとりが水質汚染の原因を作っているのです。

 

また、水質汚染の原因として、工業排水があげられます。例えば、水俣病では、アセトアルデヒド製造工場から出された排水によって、メチル水銀が川魚に蓄積され、それを食べた人々に、中枢神経症状を呈する患者が多発し、死者も多く出ました。その後、法律の規制や下水道の整備などによって、工業排水による水質汚染は随分改善されましたが、下水道が普及していない地域はまだ多くあり、そのような地域では、処理せずにそのまま川や海へと流しているのが現状です。

 

また、水質汚染の原因として、産業廃棄物もあげられます。ダイオキシンやPCB、鉛、ヒ素などによる水質汚染は非常に深刻な問題です。有害物質が地下水に溶け出すこと、その地下水を飲用することで、人体にも何らかの影響が出ることも考えられます。さらに、産業廃棄物の中には、不法投棄などもあって、発見、処置が遅れる原因ともなっています。

 

その他、海上での船舶から流れ出る油の流出、船舶排水による海洋の水質汚染、農薬による地下水の水質汚染、雪や雨などといった空気中の大気汚染物質が含まれていることによる水質汚染などが原因としてあげられています。

 

 

【汚染物質による健康被害】

 

では、上記の様々な理由によって出された汚染物質を摂取した場合、わたしたちにどのような影響があるのでしょうか。以下に代表的なものを列挙します。

 

・カドミウム及びその化合物(重金属)

 

充電式電池、塗料、メッキ工業など用途が広い。自然界にごく微量であるが亜鉛とともに広く分布しており、地表水、地下水にごく微量が存在しているといわれる。

 

→ 生体への蓄積性があり、慢性中毒を引き起こす。イタイイタイ病の原因物質とされる。

 

鉛及びその化合物(重金属)

 

鉛蓄電池、鉛管、ガソリン添加剤など用途が広い。

 

 → 生体への蓄積性があり、慢性中毒を引き起こす。

 

六価クロム化合物(重金属)

 

化学工業薬品・メッキ剤などに用いる。

 

 → 生体への蓄積性があり、慢性中毒を引き起こす。皮膚潰瘍、胃・肺ガンなどを発症する。

 

砒素(重金属)

 

鉱山、製薬、半導体工業などに用いる。

 

 → 生体への蓄積性があり、慢性中毒を引き起こす。肝臓障害、皮膚沈着、皮膚がんなどを発症する。

 

総水銀(重金属)

 

化学工業、電解ソーダ、蛍光灯、計器などに用いる。

 

 → 環境中で有機水銀に転換する可能性がある。

 

・ジクロロメタン(低分子有機塩素化合物)

 

無色透明の水より重く、揮発性の液体で芳香臭がある。プリント基板の洗浄、金属の脱脂洗

浄、冷媒、ラッカーなどに用いる。

 

 → 生体への蓄積性はない。発がん性がある。強浸透性のため、主に地下水への影響が問題となる。

 

・四塩化炭素(低分子有機塩素化合物)

 

無色透明の水に難溶性の液体である。機械器具の洗剤、殺虫剤、ドライクリーニングの洗

剤、フロンガスの製造、その他の化学工業原料などに用いる。

 

 → 生体への蓄積性はない。発がん性がある。強浸透性のため、主に地下水への影響が問題となる。

 

1,2-ジクロロエタン(低分子有機塩素化合物)

 

無色透明の油状の液体で揮発性がある。塩化ビニルモノマーの原料、エチレンジアミン、合

成樹脂の原料、フィルム洗浄剤、有機溶剤、殺虫剤などに用いる。

 

 → 生体への蓄積性はない。発がん性がある。強浸透性のため、主に地下水への影響が問題となる。

 

1,1,1-トリクロロエタン(低分子有機塩素化合物)

 

揮発性の液体である。金属の洗浄、ドライクリーニング用洗剤などに用いる。

 

 → 生体への蓄積性はない。発がん性がある。強浸透性のため、主に地下水への影響が問題となる。

 

・チウラム(農薬)

 

白色の結晶で水に難溶で、クロロホルムに可溶である。種子、球根、芝などの殺菌剤、ゴム

の加硫促進剤などに用いる。

 

 → 急性中毒を引き起こす。

 

・シマジン(農薬)

 

白色の結晶で水、有機溶剤に難溶である。トリアジン系除草剤で、野菜、豆類、芝などに用

いる。

 

 → 急性中毒を引き起こす。

 

・シアン化合物(無機化合物)

 

メッキ工業、化学工業など。水中では、シアンイオン、シアン化合物として存在する。

 

 → 生体への蓄積性はない。急性中毒を引き起こす。シアンに汚染された水を飲用すると急速に粘膜から吸収され、血液中で呼吸酵素を阻害し、頭痛、吐き気、浮腫などを引き起こす。

 

・ベンゼン

 

無色の液体で、沸点80の揮発性、可燃性、水より軽い。水に難溶、有機溶剤に可溶で

る。染料、溶剤、合成ゴム、合成皮革、合成顔料など、化学工業原料などに用いる。 

 

 → 発がん性がある。

 

 

・セレン及びその化合物

 

硫黄に類似した固体元素。複写機感光体、整流器、太陽電池、赤色顔料、ガラス着色剤など

に用いる。

 

 → 発がん性がある。肝硬変を引き起こす。

 

アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物

 

硝酸イオンまたは亜硝酸イオンの化合物。電気めっきにおける洗浄剤・防錆剤、希土類精鉱

の溶解剤、その他製品の触媒、化学肥料などに用いられる。

 

 → 急性中毒を引き起こす。高濃度の硝酸・亜硝酸性窒素を含む水の摂取によって、特に乳幼児にメトヘモグロビン血症を発症する